Ⅰ.アルファ線用霧箱(入門篇)
Ⅰー0.さまざまな放射線
右の写真は、このサイトで紹介するアルファ線、ベータ線、X線、陽電子、宇宙線などの飛跡です。
これから、まずもっとも観測しやすいアルファ線霧箱から、順番を追って系統的に霧箱の作り方と霧箱からみえる放射線の飛跡の様子を紹介していきます。
█ 霧箱から見えるもの
右の写真の沢山の放射状に広がる白い筋は、アルファ線という放射線が通った跡です。真ん中の黒い石は、放射性物質を含む鉱物標本(ユークセン石)です
これから紹介する「霧箱」とは,数千万円もする電子顕微鏡で見える原子よりも、さらに10万分の1よりも小さい原子核の飛跡やさらに小さい電子やミュー粒子など宇宙線も観察ができる、とても不思議な装置です。(この装置のおかげで、たくさんのノーベル賞もでました。)その装置(アルファ線用霧箱)は、右の図のような家庭で簡単に自作できるものです。まずは霧箱をつくって、自分の目で放射線を見てみましょう。
█ ドライアイスで冷やす霧箱と液体窒素で冷やす霧箱
この入門編 では、まずアルファ線の発生の様子を確認し 、その発生させる装置「・霧箱の作り方」を実行し、そして飛跡ができる理由、つまり「・霧箱の原理」などを説明します。
はじめて、霧箱を製作する人が、「飛跡が見えない・・・・!」など問題点にぶつかったとき のために、さまざまなQ&A(質問コーナー)を用意しました。実験装置をつくり、失敗に直面してその原因を 考え、再度挑戦することは、科学の力をつける最良のチャンスです!Q&Aも参考にしながら、急がず、失敗から学ぶことに楽しみながら挑戦しましょ う。
█ 霧箱の作り方は、おおまかにはドライアイスで冷やす方法と液体窒素で冷やす方法の2つがあります。
ドライアイスで冷やす方法は、家庭実験や学校での演示実験に適しています。
他方、液体窒素は、学校での多数のクラスにわたる生徒実験、多人数のイベントに適しています。いずれの霧箱も抜群に安定性が高く、東レ理科教育賞、教職員発明展科学技術長官賞、物理教育学会大塚賞など多数の受賞をしています。
両方の説明をアップロードしていますが、皆さんは必要に応じてどちらかを選んで読み進んで下さい。ただ、霧箱の運転がうまくいかなかったときのQ&Aは液体窒素の方にのみ記入してありますが、対策はいずれも同じですので、必要な時はそれを参考にして下さい
拡散型霧箱の開発について森雄兒先生より詳しくお聞きしたく、ご連絡いただけましたら幸いに存じます。
1年近く、お返事を出さず申し訳ありませんでした。他のテーマで忙しくなり、メールの確認を怠ってしまったことが原因です。すでに、お返事を申し上げるに時期を大幅に逸していると思いますが、もしまだ私に役にたつことであればご連絡ください。