Ⅰ霧箱(アルファ線)入門編
▒ Ⅰー1.α線霧箱の作り方(ドライアイスの場合)
STEP1. 準備するもの
❐ ドライアイス
宅急便で「かたまり」を購入してもよいし、5分間くらい霧箱の飛跡をみるだけでよいときには、冷凍食品を買うときもらえる粒状のドライアイスでも間に合います。(写真の分量で5分位は十分観察できます。)
❐パイレックスガラス容器 iwaki スポンジ型
❐サテンの布:黒か濃紺。またはラシャ紙
(径18cm用) KBT240
❐無水エチルアルコール
薬局にあります。
値段が高くなりますが、必ず「1級」(99.5%)と書いてあるものを入手しましょう。
❐線源
ガスマントルまたはユークセン石
キャンプ用ガスランタンの芯。アウトドア用品売り場にあります。
ガスマントルとはキャンプ用ガスランタンの芯です。メーカーによっては、それを含んでいないものもあります。GM管を持って行けば確実に分かりますが、売り場の人に聞いてみると分かるかもしれません。
❐ラップフィルム
サランラップ(旭化成)が最適。
他のメーカーは、薄いので取り扱いがむずかしい。
❐アクリル定規 : ティッシュペーパーでこするので、なるべく30㎝以上の長さのもの。 短いと静電気を起こしにくくなります。
❐スポイト :エタノールを霧箱に散布する。
❐ティシュペーパー
❐タオル(少し厚めがよい。)
STEP2.作り方
①パイレックスガラス容器をタオルの上に用意します。
②霧箱の中に底の形に合うようにラシャ紙かサテンの布を底に敷きます。
③ピペットで2ccのエタノールを霧箱の底に均等にふりまきます。
ピペットの代わりにペットボトルのふたに半分のエタノールを注いでもよい。
⑤ラップフィルムでふたをし、エタノール蒸気がもれでないように気密を保ちます。
⑥ドライアイス:容器を右にずらし、細かい粒になったドライアイスをタオルの上に、パイレックスガラスの底の面積より少し小さいくらい。ひろげます。
⑦ドライアイスが大きな塊の時には、適量をタオルにくるんでハンマーで たたき小さな粒にします。ドライアイスを粒にすると容器の底とドライアイスの粒がよく接触するようになり、霧箱がよく冷やされます。
⑧広げたドライアイスの上に
霧箱の容器を置く。ドライアイスと容器の底とよく接触するように容器を5秒くらい下に軽く押します。すると「ジュー」というドライアイスの蒸発音が聞こえてきます。容器がよく冷えているしるしです。
⑨ライトを点灯しましょう。霧箱は30秒から1分ほどで薄いα線の飛跡から見えはじめる状態ます。 次のことをすると飛跡はに見えてきます。
⑩アクリル定規をティシュペーパーでこすり、帯電した状態にします。霧箱の5㎝くらい上をゆっくりと水平にお祓いをするように揺らします。すると飛跡が鮮明に見えてきます。物差しの帯電具合、揺らす時間の間隔,距離,など試しながらベストの方法を探してください。
⑪写真のような電灯があればベストですが、ないときには身の回りのもので工夫をしましょう。たとえば、できるだけ明るい懐中電灯、電気スタンドなどで側面から光をあてて代用できます。部屋はなるべく暗く。上からの照明はラップフィルムで反射し飛跡が見えにくくなりますので消しましょう。
霧箱がよく見えないなどのQ&A は、Ⅱ「森の霧箱の作り方――液体窒素」のQ&Aを参考にして下さい。
4 Comments on “ Ⅱ.霧箱の作り方”についてのお便り
ガラスの容器だと飛跡が安定しているのでもし照明を明るくするなど工夫すると宇宙線も見えていることに気づきます。
(y.mori)
購入した霧箱キットではうまくいかず、こちらのサイトを参考にして、
1. 容器全体を冷やさないこと。
2. アクリル容器よりもガラス容器がいいこと。
を知り、家にあった直径22センチのガラスのボウルで試してみたら、
部屋を暗くせずとも、LEDライトで照らさずとも、飛跡が見えました!!
お陰様で実験がうまくいき、自由研究も無事レポートにできそうです。
詳しい実験の仕方を掲載してくださったこのサイトがあって本当によかったです。
ありがとうございました。