Ⅲ.ベータ線
3.ベータ線霧箱(ドライアイス)
STEP1. 準備するもの
○ドライアイス
・宅急便でドライアイスをブロックで購入してもよいし、5分間くらい霧箱の飛跡をみるだけでよいときには、冷凍食品を買うときもらえる粒状のドライアイスでも間に合います。(写真の分量で5分位は十分観察できます。)
○パイレックスガラス容器
・iwaki スポンジ型(径18cm用) KBT240
・黒か濃紺のラシャ紙またはサテンの布。
○無水エチルアルコール
・薬局にあり。
値段が少し高くなりますが、必ず「1級」(99.5%)と書いてあるものを入手しましょう。
○線源
・ガスマントルやユークセン石は、厚めの黒のラシャ紙等で包む。アルファ線はカットされるがベータ線は通過する。
・ガスマントル
キャンプ用ガスランタンの芯。アウトドア用品売り場にあります。GM管を持って行けば確実に分かります。
○ラップフィルム
・ サランラップ(旭化成)が推奨。他のメーカーは、薄いのでやぶれやすい。
○アクリル定規
・ティッシュペーパーでこするので、なるべく30㎝以上の長さのものが静電気を起こしやすい。
・発生する摩擦電気は、ティッシュペーパーが負に、アクリル定規が正に帯電する。(塩ビの定規もあるので間違えないように。)
○ピペットかスポイトか代用品
○ティシュペーパー
○厚めのタオル
STEP2.作り方
①パイレックスガラス容器
②サテンの布を入れる
霧箱の中に底の形に合うようにラシャ紙かサテンの布を底に敷きます。
③アクリルシートを敷く
④布帯を取り付ける
霧箱の周囲に布帯をセットします.霧箱の深さの中間の位置に取り付けます。
⑤エタノールを注入する
ピペットで布帯に十分にエタノールを含ませます。
さらに底の部分にもエタノールを注入します。
⑥線源を入れる
線源を霧箱の内部に入れます。線源にユークセン石を使う場合には、ユークセン石をキッチン用のアルミホールか黒い紙で包みましょう。 その理由は、α線を遮蔽し、β線だけ通過させるためです。
⑦ ラップフィルムでふたをします。
ラップフィルムは厚くて、やぶれにくいサランラップが最適です。
エタノール蒸気がもれでないように周囲をラップフィルムでしっかり密封し、気密を保ちます。
⑧ドライアイスを敷く。
ドライアイスが写真のような粒の場合には、そのままタオルの上に平らに敷き、容器の底と同じくらいの面積にまで広げます。
ドライアイスが大きな塊の時には、適量をタオルにくるんでハンマーでたたき小さな粒にします。
⑨アルミ板を敷く
広げたドライアイスの上にアルミの板を置く。
ドライアイスとアルミ板がよく接触するように容器を1,2秒くらい下に軽く押します。(「ジュー」というドライアイスの蒸発音が聞こえてきます。)
⑩霧箱容器をアルミ板の上にのせる
アルミ板の上に霧箱をのせます。霧箱が水平になっているか確かめましょう。もし、傾いているときには霧箱やアルミ板をかるく下に押しドライアイスがより平らになるようにします。
アルミニウム板は、霧箱を均一に冷やすためのものです。
⑪光源をセットする
光源はできるだけ明るいビーム状の光線がお奨めです。なるべく光源は2ヶ用意しましょう。
β線は、蜘蛛の糸のようにとても細い飛跡なので、飛跡ができていても、照明が暗くそれに気がつかないということがよく起きています。
少しまぶしいかもしれませんが、光源に対して逆光の方向から飛跡を見るのがβ線の飛跡がみえる必須のアングルです。順光からみるとほとんどの場合、よほど好条件でなければ飛跡が見えませんので注意!
⑫霧箱の上で帯電したアクリル棒ゆっくりふる
ア クリル定規をティシュペーパーでこすり、帯電した状態にします。霧箱の5㎝くらい上をゆっくりと水平にお祓いでもするように移動させます。約3分から5分 位でβ線の飛跡が見えてきます。物差しの帯電具合、物差しを揺らす時間間隔,距離,など試しながら飛跡が最も鮮明に見えるベストの方法を探してください。
Ⅲ . ベータ線