By   2011年8月7日

1.板書?
2.台車をちょんと押す実験(1~3)
3.台車をちょんと押す実験(4)
4.台車をちょんと押す実験(5)
5.台車をちょんと押す実験(6)

1.板書?

板書
等速直線運動、面積=移動距離、速度変化、電車のv-tグラフから速度変化がプラス、0、マイナスを説明
「力と速度変化の実験」の演示と予想
*加速度という言葉は使わず、速度変化や加速、減速で説明していく。
*瞬間の速度と平均の速さ

2.台車をちょんと押す実験(1~3)

WEB物理 力学 授業プリント 台車をちょんと押す実験-1
WEB物理 力学 授業プリント 台車をちょんと押す実験-2
WEB物理 力学 授業プリント 台車をちょんと押す実験-3
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「台車をちょんと押す実験」のオリジナルについて

「力学台車をちょんと押す実験」は20年前に発表

「力学台車をちょんと押す実験」は、小野啓一氏他が1986年に「物理教育」(vol34-2)談話室に発表した実験報告です。20数年前の話です。オリジナル報告の一読をおすすめします。

教科書のゴムひも3本を使う実験は課題山積。その代案は?

そのころ、運動の法則をどう展開するか、ということがわたし自身の大きな課題になっていました。当時の教科書にも、ゴムひもを1→2→3本と増やして力学台車をひき、運動の法則を確かめる実験が必ず掲載されていました。しかし、多くの人が体験済みのように、これが使い物にならなかったのです。
その代案をと思い、いろいろ文献を読んも、ゴムひもを工夫したり、加速度計を使ったり、どれもマニアックで実践を躊躇するものばかりでした。

独創的な小野氏の実験報告に衝撃

そんなとき、小野氏の談話室に掲載した実践を読んで、衝撃を受けました。抱えていた問題点に的確に対処されていたからです。

様々な優れた点

その実践のすぐれた点を要約すれば:
(1)生徒に手で台車を押させ、v-tグラフを描かせていること
(2)順押し、逆押しで、力と速度変化の大小を定性的に理解させようとしていること
(3)ゴムひも1本で「一定の力」と「一定の速度変化」の関係を確かめさせること
など、「力と加速度」ではなく「力と速度変化」の関係に実験の狙いを定めていることです。

マニュアル作りの試行錯誤

ただ、発表された内容は、概要だけでしたので、具体的なマニュアルを、生徒に適した形に書き起こさなければなりませんでした。当初は失敗を繰り返していました。その都度、マニュアルの不足を補い、そんなことを4~5年繰り返して、ようやく実験の本質を実現できる形となったものが、アップロードしたプリントです。

奥行きの深い実験

この実験は、一見とても地味です。そのため、生徒は実験の始めに「中学生のときのような簡単な実験」と思うようです。それが、実験をやりとげてみると「この実験の奥深さがわかった」という感想を持つ生徒が多いのも面白いところです。

3.台車をちょんと押す実験(4)

WEB物理 力学 授業プリント 台車をちょんと押す実験-4

このプリントでは順番が後ろになっているが、実験の前の時間に、生徒に予想をさせてから実験に臨んだ方がよいと思います。

4.台車をちょんと押す実験(5)

WEB物理 力学 授業プリント 台車をちょんと押す実験-5

「生徒実験」の理想と現実 -「生徒実験」とレポート処理-

生徒実験のための準備と覚悟

「台車をちょんと押す実験」は、実践すればとてもすぐれた効果的な実験であるものの、20年間も普及して来ませんでした。生徒実験は、内容に納得がいっても、演示実験と異なり、実験の準備だけでなく、その後のレポート処理の大仕事も待っているからでしょう。毎年続けうる定番の実験メニューになるためには、実務的な準備も(覚悟も)相当に必要になります。

生徒実験→レポートの山

この準備なしで実行すると、平均的な学力のレベルの高校生なら、たちまち読むに耐えないレポートの山を前にして教師がつぶれてしまうのが現実です。
最近の生徒の、レポートを書く能力の低下は著しいのです。さらに、中学のみならず高校でも、本格的なレポートを生徒に要求するのを、様々な教科で断念する方向へ傾斜していくのを感じます。生徒たちは、穴埋め形式のレポート(?)しか経験していないというのが現状であると、まず覚悟した方がよいでしょう。

考えさせる授業と教師の負担

こうした現状で、物理の生徒実験だけでも多少まともに考えさせるレポートを生徒に要求するとなると、事前準備と時間的な負担をする覚悟が必要になります。

小さな実験と本格的な実験

まず、いきなり「ちょんと押す実験」をしても無理なので、その前に簡単な生徒実験を最低1つは経験させておかなければなりません。この授業プランでは「フックの法則」がそれになります。「フックの法則」の生徒実験で、重点的にグラフの描き方の訓練をしておいたほうがよいのです(これで、折れ線グラフを描く生徒は相当減ります。座標軸・目盛りの取り方も多少分かってきます)。

レポート作成の中間報告の場

次に「ちょんと押す実験」を実施します。その数日後に、一度レポートの作成の中間報告と議論の場を設けます。さらにその数日後をレポートの〆切日にします。
この授業プランでは「ちょんと押す実験」のあと、生徒がv-tグラフを書く時間をとるために、授業はまさつの授業を1時間するようにします。次の1時間で、まさつと、レポート作成の中間報告実験、討論の時間をとっています。

レポートにならないデータの班も見つかる中間報告

中間報告の場では、再実験しないとレポートにならない班が必ずここで見つかります(教師一人で40人全ての班の一部始終を見ることはそもそも不可能なので、これは致し方がなく、はじめから生徒に覚悟をさせておくとよいです)。こうした段階を踏んで、レポートを提出させます。

生徒自身の点検のためのチェックリスト

もちろん、こうした時間をとっても、レポートは目を覆いたくなるものが沢山やってきます。そこで、過年度の欠陥レポートのパターンを分析し、事前にチェックリスト作り、彼らに渡すのです(P10のプリント)。そのチェックリストを事前に渡すと、気がついて自分で直せる生徒がけっこう出てきます。直せない生徒の一群も相当残るものの、直せる生徒の割合を増やしていくしかありません。

生徒実験のレポートでつぶされないために

こうしてあれこれと彼らにプレッシャーをかけると、つたないながらもいろいろ考えて書いたレポートは(丸うつしのレポートンも含め)増え、それを読むのがまた大変な仕事です。1通10分かけて読み添削すると、1クラス400分。7時間にもなります。明日の授業の準備、分掌の仕事、学年の仕事と考えれば完全にパンクで、これでは、2度とやらない1年限りの生徒実験になってしまいます。

レポートを集めない人、レポートをめくらばんで返す人

だから、レポートを集めないという人の「理由」は理解はできます。しかし、生徒の頭の中をとり散らかしっぱなしで進むようで、共感はできません。レポートは集めるが、読まないでただハンコを無条件にで押して返す方がましかもしれませんが、これも倫理的に共感できません。返却する際、気がとがめそうです。生徒もレポートをいずれ出さなくなるでしょう。

短時間で返却するレポート処理の方法

そこで短時間でレポートを見て、すぐ返却する実務的方法を考えるしかないか、と言うことになります。
しかたがないので、さきの生徒向けのチェックリストと同じく、1年は我慢して、出来損ないのレポートとつきあい、それを分析しながら点検・評価をします。

レポート分析とチェックリストの作成

すると、かれらのレポートの欠陥をいくつかのタイプにパターン化できることがわかってきます。そのデータをもとに、チェックリスト(P9のプリント)を作成し、項目をチェックした評価表を添えて返却します。問題ありの箇所には、アンダーラインはするものの、文字はできるだけ書かないようにします。文字を書くと時間がかかるのです。これで大体、1通評価して2~3分、1クラスを2時間以内で片づけるのを目標にできます。それでも5クラスあると、10時間が必要になります。

レポート処理のための2枚のチェックリスト

このWeb物理の授業プランでは、最低限こうしたことは可能になるように、生徒用のレポート提出時のチェックリストと、教師がレポートを評価するためのチェックリストの2通を参考に準備しています。

生徒実験が続くか、続かないかの分かれ道は

勤務時間が終わり、他教科の人がさっさと帰るのを尻目に、一人、準備室でレポートの山と10時間格闘するのは、なかなか大変ですが、やりとげれば、達成感はやってきます(わたしは凡庸な人間なので、自分で決断をしておきながら「やめれば良かった」など、夜の準備室でよく思いながらレポートをつけています)。
ただ、持ち時間は有限で、しかもその量は人によりさまざまです。何より大切なのは、来年も何とかできそうだという方法のその人なりの模索ではないでしょうか。
いよいよ忙しくなったら、わたしが考えている方法は、次のような方法です。
生徒実験をしたあと、生徒に、台車に力を書き込むプリント、v―tグラフのプリントだけ書き込んでくるように指示し、授業時間に意見交換(討論までいくとベスト)させながら、授業でグラフをなんとか完成させていき、教師がまとめをする。そして、レポートは集めない。
レポートと生徒実験とでは実験による体験を与える方が優先します。そのかれらの体験を教師がどう整理するかは、教師が毎年持続できる多様性な方法を模索するのが当然だろうと思います。

    生徒にグラフの書く作業とその解釈を手作業でさせること    はとても大切です。いきなり、PCを使ってグラフの書き    方を教えてしまうのは、くれぐれも慎重に。手作業でグラ    フを作成すると、その意味をしっかり解釈できるようにな    り、PCにふりまわされにくい生徒を育てることができる    からです。

最近の公立高校の教師をとりまく環境が、異様なほど、授業以外の面で多忙をきわめている状況は、世間の話題には出てきにくいことです。しかしこうした教師を取り巻く雑務の山が科学教育の最大の障害になっていることは確かなことでしょう。

5.台車をちょんと押す実験(6)

WEB物理 力学 授業プリント 台車をちょんと押す実験-6

実験解説

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