12.重力質量と力の重力単位

1.秤をつくるプロセスをシミュレートする

1.秤をつくるプロセスをシミュレートする

WEB物理 力学 授業プリント 質量原器 重力質量と力の重力単位-1
WEB物理 力学 授業プリント 質量原器 重力質量と力の重力単位-2
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どのようにはかりは作られるか

(1)質量原器を決める
秤をつくるシミュレーションは、矢野淳滋「力と質量の指導」(1985)のなかの『(1)力のはかり方(B)バネ秤に㎏wの目盛りをつける(演示)』にこのアイディアがあり、参考にさせて頂きました。
まだ秤の目盛りが決められていない状態なのでといって、バネ秤のふたをとり板目紙をドーナツ型に切り、それで秤の目盛りを覆ってしまいます。真っ白な目盛りの秤を前にすると、誰もがとまどい、どこから手をつけて良いのかわからなくなります。この心境を味わわせることはとても大切だと思っています。矢野氏のアイディアの優れた点です。
そこで、重さは場所によって変化するので、質量原器を決めなければならない、と話を持って行きます。そのために一番手軽なのは、力学台車を1[㎏重]に調整しておき、それをキログラム原器として宣言しても良いと思います。
矢野淳滋氏は力学台車を用いています。当初わたしも矢野氏のように力学台車を用いていました。しかしその後、円柱形の茶筒に鉛をつめこみ、キログラム原器にしています。こちらの方が予想外のおもしろさはないものの、リアリティがあると思います。

(2)まず0㎏重の目盛りを書き入れ
次に質量原器をのせて1㎏重の目盛りを書き込みます。次に、同質同形のもので、10ヶ集めるとちょうど1㎏重になるおもりを試行錯誤して作ったと称して、100 gwの目盛りを書き込んでいきます。念のために100 gwのオモリを棒の左右につるし、バランスをとってみせるのも良いでしょう。

(3)力の重力単位
次に、1[㎏重]は場所によって異なるので、厳密には『1㎏重東京』のように場所の表示が必要であると断ります。しかし実際には、全国を重力加速度の大きさからブロック化し、単位に[㎏重]に地名をつける必要がなくしています。いままでこうした点は、おもてにでてくることなく済んでいました。ところが、デジタルクッキングスケールなどの登場で、われわれの日常にこのあたりの裏事情が、表に出てくるようになってきました。

(4)秤の管理
秤の管理は、重力加速度の大きさによって、日本を16ブロックに分けて行っているようです。しかしこれが今までほとんど私たちの目に触れることがありませんでした。ところが、最近精度の優れたデジタルメーターが普及してきたため、地域ごとの補正をするようになりました。 プリントの資料では、簡易的に全国を5ブロックに分け、切り替えができるようになりました(P22のマニュアルの抜粋参照)。教材ととして、とても貴重です。

(注)計量法の改正
計量法改正のあおりをうけ、教科書からなんと[㎏重]が一掃されてしまいました。
歴史の教科書なら[N]と言う単位を丸暗記させるのも仕方ないかもしれません。しかしこれは「重さ」と「質量」についての論理的な理解を放棄しろといっていることに等しいものです。信じがたい教育行政の一大失策をやってしまっているのです。
ここでは、それはそれとし、Web物理では、丸暗記ではなく、科学的理解を基本的スタンスとして、質量と重さを中心に展開していくことにします。

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