全般的な授業編成について
・順番をどうするか
・それぞれの項目をどうするか
・何を試験するか
・どのような(理解度・学習進捗に関わる)データを、どう収集するか
授業編成
ここでは、次のような編成で授業を進める前提です。
- 力の記述
- フックの法則
- 力とは何か
- 慣性の法則
- 演習問題、小テスト
- s-tグラフ
- v-tグラフ
力学をどこから始めるか
運動学を延々と展開する教科書
以前は運動学から長々とはじめる教科書もある一方、すぐ力から始める教科書もあり、どこから始めるかは様々でした。運動学から入る狙いは、恐らく、むずかしい力や慣性にいきなり入るのではなく、少し運動学で助走をし、それから力学の本論に入っていこうということだろうと思います。
それが今では、どの教科書も距離、変位、速度、相対速度、加速度のみならず、自由落下運動、投げ上げ・下げの運動、場合によっては放物運動まで運動学で処理するようになってしまいました。
運動学に過剰に時間をかけると
運動学からはじめる場合、先ほど述べたような長所があります。しかし大きな欠点もあります。運動学は、物理現象を提示し、それを変位、速度、加速度などの定義から整理していく道具の準備です。つまり、力、質量、重さをはじめる前に、数学という道具を物理で自由に使えるようになる練習が運動学の本質なので、これを放物運動まで含めて長々とはじめることは、運動学の公式を偏重した方法であり、力学本来の目的を見失わせ、生徒が力学を誤解する原因になっているのではないでしょうか。
カンチガイした高校物理からの訣別
大学の教養課程や予備校では、このあたりを、微積分を使って一気に突き進む授業が良く見受けられます。多くの生徒は、そういった授業をうけ、これこそが物理だと誤解します。高校のとき勉強不足だった生徒が、予備校でこの種の授業で感動してしまうことが良く起きるのも、このあたりです。
自分が運動学の公式の暗記に明け暮れた高校時代を高校物理と思って、カンチガイした訣別をしたりします。
また、数学のような運動学の計算をやっているうちに、物理的センスのある生徒が「こういう計算が物理なのか」と思いながら興味を失っていくのを見るのは、私だけではないと思います。
いまはどの教科書も、運動学で延々と走れるだけ走る、とても配慮を欠く展開法となってしまっています。背景には、やむを得ない理由があるのかもしれません。しかし、この現実は、物理教育に携わったプロの眼からみると、相当異様な現象に見えるのではないでしょうか。
物理の道具としての運動学
このWEB力学の授業プランは、なにも新奇さをてらっている訳ではなく、自然に理性的に考えて、「力」から始めています。
物理を考えていく道具としての運動学は、必要最小限をやり、また物理に戻ればよいというスタンスで構成しています。
判断力と生徒のリアクション
現在の物理教育では、何が当たり前で何が異様なのか、とても分かり難くなっています。これを見分けるのは、自分の判断力と、その人が生徒からのリアクションをどれだけうけとめているかではないでしょうか。



