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霧箱でユークセン石からでるα線を観察していると、右の写真のような現象を見つけることがあります。飛跡の先端に、枝毛のように分岐した飛跡があるのが、お分かりいただけますでしょうか? これは、α線と空気中の原子核が衝突したとき、相手の原子核をつきとばし、その反動で自分も進路を変えたために起こっているのです。 これが、α線の散乱です。 |
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α線の飛跡の先端部で
空気中の原子核
(恐らく窒素か酸素の原子核)
に衝突し進路を変えている
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こうした原子核の散乱現象は、「特殊な装置」でも使わないと見えないものだと思われがちです。 見えるはずがない!と思うと、それが目の前で起きていても、暗示にでもかかったように見えなくなって しまうのです。それは一流の科学者でも同じようです。 科学の発見の歴史は,こうした事例の山から生まれ出てきているのです。 |
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 | さて、このα線の散乱、何かに似ていると思いませんか。
そう、ビリヤードの玉同士の衝突です。 ただ、原子核の散乱の場合は、ビリヤードの球のように直には
接触しません。原子核どうしが接近すると静電気力で反発し合い、 互いに遠ざかるため、向きが変わるのです。 |
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α線の散乱はビリヤード玉の衝突に似ている
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 | 霧箱でα粒子が原子核と衝突し、散乱を起こしている映像です。
強力なラジウム線源を使ったラザフォードなどによる散乱の写真はありますが、原子核の散乱を動画で紹介するのは、世界初のとても珍しい映像だと思います。 |
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原子の構造がどうなっているのか、論争になっている時代がありました。
ラザフォードは、原子核が存在しているに違いないと考え、それを確かめる実験をしました。
ラザフォードは、機関銃のように放射線を金箔に打ち込み続けました。まるで、野球場に落ちている10円玉めがけて、機関銃を乱射しているようだともいわれる実験です。
しかし、そのなかの1個がまともに跳ね返されてきました。
これが、原子核の存在を確認した瞬間です。
ラザフォードによるα線の散乱実験は、強力な線源と膨大な時間をかけ、自然現象と理論を結びつけた核心の実験だと言えます。
しかし、そんな実験は、私たちが毎日体験している身近な現象とは、かけはなれた実験だと思われるでしょう。
では、霧箱を使って、身近な鉱物からでるα線と金箔で散乱の実験をしてみましょう。
多くのα線は透過し、なにもおきません。
しかし、ときどき、角度が小さい前方散乱が観察できるのです。
おもわず、α線が折れ曲がったところに、金の原子核の存在を感じることでしょう。
このとき、ラザフォードとともに、原子核の存在を確認しているような気分になります。
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