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	<title>サイエンスの森</title>
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	<description>霧箱と物理教育の森</description>
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		<title>霧箱で汚染土壌からのβ線を見る。 霧箱で汚染土壌のセシウムを見ました</title>
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		<pubDate>Mon, 30 Jan 2012 13:47:19 +0000</pubDate>
		<dc:creator>mori</dc:creator>
				<category><![CDATA[原発事故を読み解くミニツール]]></category>

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		<description><![CDATA[9月１，２日と福島市、伊達市、安達太良SA、国見SAなどを回り汚染土壌を採取してきました。その目的は、放射性物質（主にCs）で汚染された土壌からの放射線を霧箱で観察・分析を試みることです。こうしたことから私たちのCsに対する現状認識を深めることに寄与できないだろうかと考えたからです。 <a href="http://sciwood.com/%e5%8e%9f%e7%99%ba%e4%ba%8b%e6%95%85%e3%82%92%e8%aa%ad%e3%81%bf%e8%a7%a3%e3%81%8f%e3%83%9f%e3%83%8b%e3%83%84%e3%83%bc%e3%83%ab/%e5%8e%9f%e7%99%ba%e4%ba%8b%e6%95%85%e3%82%92%e8%aa%ad%e3%81%bf%e8%a7%a3%e3%81%8f%e3%83%9f%e3%83%8b%e3%83%84%e3%83%bc%e3%83%ab-%ef%bc%88%ef%bc%94%ef%bc%89%e9%9c%a7%e7%ae%b1%e3%81%a7%e6%b1%9a%e6%9f%93/">Continue reading <span class="meta-nav">&#8594;</span></a>]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><object width="640px" height="480px" classid="clsid:d27cdb6e-ae6d-11cf-96b8-444553540000" codebase="http://download.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=6,0,40,0"><param name="allowScriptAccess" value="sameDomain" /><param name="FlashVars" value="flvpath=http://sciwood-files.com/flvs/CesiumHiseki.flv" /><param name="quality" value="high" /><param name="allowFullScreen" value="true" /><param name="src" value="http://sciwood-files.com/flvs/flvplayer.swf" /><param name="flashvars" value="flvpath=http://sciwood-files.com/flvs/CesiumHiseki.flv" /><param name="allowfullscreen" value="true" /><param name="allowscriptaccess" value="sameDomain" /><param name="pluginspage" value="http://www.macromedia.com/go/getflashplayer" /><embed width="640px" height="480px" type="application/x-shockwave-flash" src="http://sciwood-files.com/flvs/flvplayer.swf" allowScriptAccess="sameDomain" FlashVars="flvpath=http://sciwood-files.com/flvs/CesiumHiseki.flv" quality="high" allowFullScreen="true" flashvars="flvpath=http://sciwood-files.com/flvs/CesiumHiseki.flv" allowfullscreen="true" allowscriptaccess="sameDomain" pluginspage="http://www.macromedia.com/go/getflashplayer" /></object></p>
<p style="text-align: center; font-weight: bold;"><a href="http://sciwood-files.com/zips/CesiumHiseki.zip">↑この動画の高画質版をダウンロード</a></p>
<h2>ビデオの解説（１）：　霧箱で汚染土壌のβ線を見る。</h2>
<p style="text-align: center;">－－東電原発事故による土壌汚染－－</p>
<p style="text-align: right;">「サイエンスの森」　森雄兒</p>
<p><strong>１．原爆</strong><strong>168</strong><strong>発分の</strong><strong>Cs</strong></p>
<p>東電原発事故で放出されてしまったCs（セシウム）が広島に投下された原爆168発分相当すると試算されています。ヨーロッパの専門家たちは、それでは少なすぎると疑問をなげかけています。いずれにしても、これから食物連鎖の生命活動を通してほとんどの生活者にCs入りの食品として食卓に舞い戻ってくることは避けられません。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>２．霧箱による汚染土壌の分析</strong></p>
<p>「サイエンスの森」のスタッフで9月１，２日と福島市、伊達市、安達太良SA、国見SAなどを回り汚染土壌を採取してきました。その目的は、放射性物質（主にCs）で汚染された土壌からの放射線を霧箱で観察・分析を試みることです。こうしたことから私たちのCsに対する現状認識を深めることに寄与できないだろうかと考えたからです。</p>
<p><strong>３．土壌の採取場所　</strong></p>
<p>採取した汚染土壌を霧箱の中に入れβ線などの飛跡を動画撮影しました。本サイトとU-tubeにアップロードしたのは、下記の3カ所の場所で採取した汚染土壌の映像を編集したものです。</p>
<p>（１）伊達市霊山町下国田尻５（原発事故現場より75km地点）</p>
<p>・福島市街から10Km程東に位置。</p>
<p>セブンイレブンの向かいにある空き地で土壌を採取。</p>
<p>・空間線量率：1.48μsv/h（腰の高さ）</p>
<p>（２）福島市花園町5-45</p>
<p>・福島市街地</p>
<p>簡易裁判所内の庭。</p>
<p>・空間線量率：1.15<strong>μ</strong>sv/h  （膝の高さ）</p>
<p>（３）福島県伊達市月舘町月舘（原発事故現場より70Km地点）</p>
<p>・月舘の民家のない山道の脇。</p>
<p>・空間線量率：2.01<strong>μ</strong>sv/h  （膝の高さ）</p>
<p>採取した場所の空間線量率は、「はかるくん」のγ線のモードで測定。</p>
<p>測定は値が安定するまで2，3分待ってから行っていますが、場所を動くと数値がすぐ変化します。そういう中で測定はすべて1回だけなのでおおまかな参考値です。</p>
<p><strong>４．</strong><strong>放射線と霧箱。</strong></p>
<p>放射線そのものは電子顕微鏡でも見ることはできないとんでもなく小さい高速の弾丸ですが、その飛跡は霧箱で見ることができます。</p>
<p>飛行機雲の先端部に目をこらすと、とても小さい飛行機がかすかに見えます。放射線の作る飛跡の先端部には粒子はなにも見ることはできません。α粒子もβ粒子もあまりに小さいからです。</p>
<p>しかし、飛跡の長さや太さ、磁界による飛跡の半径などの情報から放射線の種類、エネルギーが分かります。</p>
<p><strong>５．使用した霧箱</strong></p>
<p align="left">装置の基本構成はすでにビデオでもアップロードしているβ線の見える霧箱と同じです。ただ、感度を上げるために次の2点を改善しています。</p>
<p>(a)側面の布の面積を増やす。</p>
<p>(b)霧箱の容器の底全体を冷やすために冷却フィンと容器の間にアルミの板を挿入。</p>
<p>(a),(b)いずれも、霧箱の内部の対流を遅くし、凝結する時間をより多く確保し霧箱の感度を上げるための処置です。ただ、これによってβ線がよく見えるようになると同時に宇宙線もよく見えてくるようになります。今回のβ線の測定では宇宙線はノイズなので考察対象からカットしなければなりません。</p>
<p><strong>６．（１）汚染土壌の霧箱映像について解説</strong></p>
<p><strong>(a)</strong><strong>プルトニウムからのα線</strong></p>
<p>薄い袋に汚染土壌をいれ、霧箱の中に入れます。霧箱の内部には、汚染土壌からβ線、時折α線出ているのが観察できます。ただ、α線は量が少なく、通常の土壌などに含まれている微量のトリウムやウランなどから放出されるα線の量とあまり変わりません。これを見る限りでは、プルトニウムは存在しても微量で霧箱で議論ができる量ではないと思われます。</p>
<p><img class="wp-image-1468 alignnone" title="JSD484" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/JSD484-300x193.jpg" alt="" width="636" height="392" /></p>
<p><strong>土壌から放出されたα線</strong></p>
<p><strong>(b)</strong><strong>ラドンからのα線</strong></p>
<p>時折、何もないところから毛虫のような太いα線の飛跡が突然でてきます。これは空気中を漂うラドンガスRn-220（別名トロン）がα線をだしてポロニウムPoに変化するというよく知られた反応です。そのとき一つの点から2つの飛跡がV型に見えることがよくあります。それはラドンがα線を放出してPoに変化し、その直後にこんどはPoがまたα線を出してそのPoがPb鉛に変化している反応です。Rn-220の半減期55.6秒に対してPoの半減期が0.15秒と非常に短いためです。</p>
<p><img class="alignnone  wp-image-1484" title="2" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/2.jpg" alt="" width="625" height="380" /></p>
<p><img class="alignnone  wp-image-1485" title="3" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/3.jpg" alt="" width="625" height="371" /></p>
<p><strong>(c)</strong><strong>宇宙線</strong></p>
<p>汚染土壌の袋の位置と関係ない場所から細い飛跡がよく飛びかいます。このほとんどが電子、陽電子、μ粒子などの２次宇宙線と思われます。その中に、まれに高速の陽子ではないかと思われる飛跡もみられます。この飛跡の様子は、福島市街の簡易裁判所の土壌で実験中に偶然写しこまれました。かなり太い飛跡が磁界にものともせずまっすぐ霧箱を横切っていきました。</p>
<p><img class="alignnone  wp-image-1488" title="プロトンuvs120117-002" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/プロトンuvs120117-002.jpg" alt="" width="628" height="453" /></p>
<p><strong>(d)</strong><strong>β線</strong></p>
<p>このようにさまざまな放射線が飛び交う中を汚染された土壌から放出されたβ線がたくさん見えます。β線の飛跡は、エネルギーの大きいものは直線の飛跡を描いて進みますが、エネルギーの小さい速度の遅いβ線は、空気中の巨大な分子の影響を受けて右や左に蛇行して進んでいきます。</p>
<p><img class="alignnone  wp-image-1486" title="4" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/4.jpg" alt="" width="629" height="455" /></p>
<p><strong>(e)</strong><strong>γ線</strong></p>
<p>Csからγ線も出ていますが、γ線の飛跡は見えません。γ線は電磁波ですが電子と衝突（コンプトン散乱）し突き飛ばすのでその電子の飛跡は見えます。また、Cs134からはエネルギーが最大1.365 MeVのγ線がでていて、電子と陽電子を発生させる対生成が起きます。ただ、飛跡が見える霧箱の過飽和層が薄いので、電子と陽電子が対で見える飛跡は数が少なく、陽電子単独の飛跡が大半です。陽電子は電子の反粒子なので、電子に出会うと電子と反電子はたちまちγ線となって消滅します。そのγ線によって体内被ばくが発生します。</p>
<p><img class="alignnone  wp-image-1487" title="5" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/5.jpg" alt="" width="631" height="425" /></p>
<p><strong>磁界の向き：鉛直上向き</strong></p>
<p><strong>７．</strong><strong>Cs</strong><strong>の放射性核種の割合</strong></p>
<p>汚染土壌に含まれている核種はアエラ6/27号掲載の「原発事故で出た放射性核種」のデータが正しいものとして概算してみると、セシウム核種が全体の94％近くになります。また新たに放出し続けている放射線は不明でこれを考慮しなければ、事故から10ヶ月たち半減期の短いヨウ素やストロンチウム98などの不安定核は無視できます。また、プルトニウムは半減期は長いが分量が0.003％と少なく、公表された数字の桁が間違っていなければ無視して良いことになります。</p>
<p>こうしたことから、汚染された土壌に含まれている放射性核種のほとんどがセシウムであろうと仮定し、われわれの汚染土壌分析の結果とつきあわせてみようとおもいます。</p>
<p><strong>（→その２へ続く）</strong></p>
<p>（注）「サイエンスの森」は、主に高校生を対象とした物理教育に携わっているスタッフを中心に様々な分野の人と協力し、運営しているサイトです。スタッフは霧箱の開発、改善や放射線教育に長い間取り組んでいますが、核物理などの専門家ではありません。特に霧箱が高校核物理の教材になる可能性をさまざまな視点から模索してます。</p>
<p>ビデオ解説での飛跡の解釈についてなど、より正確な説明ができる方のご意見を歓迎しています。</p>
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		<title>原発事故を読み解くミニツール （３）</title>
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		<pubDate>Tue, 12 Apr 2011 15:00:40 +0000</pubDate>
		<dc:creator>mori</dc:creator>
				<category><![CDATA[原発事故を読み解くミニツール]]></category>
		<category><![CDATA[森のコラム]]></category>

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		<description><![CDATA[放射性物質はどのように飛散していくか？ 原発事故が起きると、時間とともに放射性物質はどんどん周囲に拡散していく。つまり放射線源からα、β、γと呼ばれている放射線が飛散すると同時に、放射線源（放射性元素）も放射線を出しながらホコリや水蒸気と共に拡散するという、２重の飛散がおきてきます。 放射線源が一定の場所に点のように存在する場合には、よくマスコミなどで報道されるように二乗に反比例して放射線（α線、β線、γ線）は弱まるが、放射性物質も飛散し始めるとケースバイケースで一概にはいえなくなります。 放射線の被ばく線量率（時間あたりの被ばく量）を電球の明るさにたとえて考えるとわかりやすい。広い部屋の中の裸電球一個から出る光線は、距離の二乗に反比例して暗くなるが、夜店のようにあっちこちに電球やアーク灯などがあると、いくら移動しても明るさに変化はあまりなくなります。また、規模が大きい夜店だとちょっとはなれてもすぐには暗くなりません。放射性物質が拡散するにつれ、わたしたちが遭遇するケースは裸電球のケースではなく、夜店のような複雑なケースが多くなります。 事故が起きると、放射線源、あるいは放射線を出す元素は蒸気やチリに付着し、風に乗って飛散を始めます。その風上にいるのか、風下にいるのかで放射線による被曝の線量率は大きな差が出てくる可能性があります。本サイトでも、アメリカ西海岸、カナダのアクセスが増え、太平洋をまたいで運んでいく風の流れにとても敏感です。 その飛散がどのように進んで行くのか、気象条件を考慮した説得力のあるドイツ発のシミュレーションがインターネットを通じて多くの人に注目されています。 そのシミュレーションは、日本の風のデータを使い、どのようにヨウ素131が日本の周辺に（世界中に）飛散していっていくのか、その流れを動画で示しています。 われわれに入手可能な最小限のデータとシミュレーションの結果とつきあわせ、矛盾がないか確認ができるので、それについて以下で簡単にお知らせしたいと思います。 シミュレーションはUTC時刻と判断し、9時間進めて日本時刻に換算しました。日野の測定値は、その時刻に対応した値にしています。（修正3/28） ［Ⅰ］日本時間：2011年3月14日3時00 日野：0.13［μSv/h］ （日野は、ナチュラル研究所の測定データを使いました。） 3月14日までの段階では、図に見られるように西風に乗って放射性物質のほとんどが太平洋へ拡散していっている様子がよく分かります。 ［Ⅱ］ 2011年03月15日8:00 日野：0.13［μSv/h］ 3月15日朝8時ごろ風向きが変わり、根元の部分から放射性物質の南下が始まる。 ［Ⅲ］　2011年03月15日13:00 日野：0.28［μSv/h］ ピーク値：12時21分:0.61［μSv/h］ 3月15日13時頃には関東一円のみならず東海地方にまで放射性物質が飛散している様子がうかがわれます。 日野のピーク時間12時21分。それより約2時間前の10時37分に和光市の理化学研究所で1.62［μSv/h］のピーク値を測定しています。 ［Ⅳ］2011年03月15日21時00分 日野：0.20［μSv/h］ さらに東の風に乗って放射性物質は長野方面に流れていく。日野の測定データは、下降し、放射性物質は別な地域に去っていったかのように見えます。 ［ⅴ］2011年03月1６日6時00 日野：0.33［μSv/h］ ピーク値：5時42分：0.35［μSv/h］ 風向きが変わり、放射性物質は再び関東に流されてくる。日野で2度目のピークが朝5時42分に観測されました。 ［Ⅵ］2011年03月1６日16時00 日野：0.15［μSv/h］ 同日16時頃には風向きが再び西になり放射性物質は下図のように太平洋に拡散していきました。 [Ⅰ]～[Ⅵ]の時間経過とともに関東各地の放射線の強度はどのように変化していったのかというデータとシミュレーションをつきあわせてみて矛盾点は見つかりませんでした。むしろいままで気にしていなかった、揺り戻しがあって第二ピークがあることがわかるだけでなく、このシミュレーションのすばらしさを痛感しました。こうしたシミュレーションがドイツではなく日本の公機関から明らかにされないのは、まことに残念の一言につきます。 データはナチュラル研究所のデータと理化学研究所のデータを使わせていただきました。公機関のサイトでは、もう15日のデータが削除されネット上から消えつつあります。 理化学研究所のデータのピーク値を表示するグラフも15日03：00～15：00の一部です。 測定データを全面的に公開している、ナチュラル研究所に深く感謝しています。 補足 放射線の強さは理研とナチュラル研とでかなり差がある。ナチュラル研は、ピーク値0.61［μSv/h］を記録しています。そのデータはバックグラウンド放射線の分量を減じていない生の値で、他方、理化学研究所のデータはバックグラウンド0．03［μSv/h］程度を差し引いた値と思われます。従って、理研の生のピーク値は1.9［μSv/h］あたりだろうと思われます。2つの測定値に3倍近い差が生じています。 （注）ここでとりあげたシミュレーション、ナチュラル研究所、理化学研究所のアドレスは伝言板で一括紹介をしていますので、トップページ→掲示板で参照して下さい。 （注）シミュレーションの時刻はUTCと判断し、日本時刻に＋9を加え修正されています。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h3>放射性物質はどのように飛散していくか？</h3>
<p style="padding-left: 30px;">原発事故が起きると、時間とともに放射性物質はどんどん周囲に拡散していく。つまり放射線源からα、β、γと呼ばれている放射線が飛散すると同時に、放射線源（放射性元素）も放射線を出しながらホコリや水蒸気と共に拡散するという、２重の飛散がおきてきます。</p>
<p style="padding-left: 30px;">放射線源が一定の場所に点のように存在する場合には、よくマスコミなどで報道されるように二乗に反比例して放射線（α線、β線、γ線）は弱まるが、放射性物質も飛散し始めるとケースバイケースで一概にはいえなくなります。</p>
<p style="padding-left: 30px;">放射線の被ばく線量率（時間あたりの被ばく量）を電球の明るさにたとえて考えるとわかりやすい。広い部屋の中の裸電球一個から出る光線は、距離の二乗に反比例して暗くなるが、夜店のようにあっちこちに電球やアーク灯などがあると、いくら移動しても明るさに変化はあまりなくなります。また、規模が大きい夜店だとちょっとはなれてもすぐには暗くなりません。放射性物質が拡散するにつれ、わたしたちが遭遇するケースは裸電球のケースではなく、夜店のような複雑なケースが多くなります。</p>
<p style="padding-left: 30px;">事故が起きると、放射線源、あるいは放射線を出す元素は蒸気やチリに付着し、風に乗って飛散を始めます。その風上にいるのか、風下にいるのかで放射線による被曝の線量率は大きな差が出てくる可能性があります。本サイトでも、アメリカ西海岸、カナダのアクセスが増え、太平洋をまたいで運んでいく風の流れにとても敏感です。</p>
<p style="padding-left: 30px;">その飛散がどのように進んで行くのか、気象条件を考慮した説得力のあるドイツ発のシミュレーションがインターネットを通じて多くの人に注目されています。<br />
そのシミュレーションは、日本の風のデータを使い、どのようにヨウ素131が日本の周辺に（世界中に）飛散していっていくのか、その流れを動画で示しています。</p>
<p style="padding-left: 30px;">われわれに入手可能な最小限のデータとシミュレーションの結果とつきあわせ、矛盾がないか確認ができるので、それについて以下で簡単にお知らせしたいと思います。</p>
<p style="padding-left: 30px;">シミュレーションはUTC時刻と判断し、9時間進めて日本時刻に換算しました。日野の測定値は、その時刻に対応した値にしています。（修正3/28）</p>
<p style="padding-left: 30px;">［Ⅰ］日本時間：2011年3月14日3時00<br />
日野：0.13［μSv/h］<br />
（日野は、ナチュラル研究所の測定データを使いました。）<br />
3月14日までの段階では、図に見られるように西風に乗って放射性物質のほとんどが太平洋へ拡散していっている様子がよく分かります。<br />
<img class="alignnone size-full wp-image-1082" title="rad1" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/rad1.jpg" alt="" width="876" height="778" /></p>
<p style="padding-left: 30px;">［Ⅱ］ 2011年03月15日8:00<br />
日野：0.13［μSv/h］<br />
3月15日朝8時ごろ風向きが変わり、根元の部分から放射性物質の南下が始まる。<br />
<img class="alignnone size-full wp-image-1083" title="rad2" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/rad2.jpg" alt="" width="904" height="768" /></p>
<p style="padding-left: 30px;">［Ⅲ］　2011年03月15日13:00<br />
日野：0.28［μSv/h］<br />
ピーク値：12時21分:0.61［μSv/h］<br />
3月15日13時頃には関東一円のみならず東海地方にまで放射性物質が飛散している様子がうかがわれます。<br />
日野のピーク時間12時21分。それより約2時間前の10時37分に和光市の理化学研究所で1.62［μSv/h］のピーク値を測定しています。<br />
<img class="alignnone size-full wp-image-1084" title="rad3" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/rad3.jpg" alt="" width="698" height="684" /></p>
<p style="padding-left: 30px;">［Ⅳ］2011年03月15日21時00分<br />
日野：0.20［μSv/h］<br />
さらに東の風に乗って放射性物質は長野方面に流れていく。日野の測定データは、下降し、放射性物質は別な地域に去っていったかのように見えます。<br />
<img class="alignnone size-full wp-image-1085" title="rad4" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/rad4.jpg" alt="" width="665" height="596" /></p>
<p style="padding-left: 30px;">［ⅴ］2011年03月1６日6時00<br />
日野：0.33［μSv/h］<br />
ピーク値：5時42分：0.35［μSv/h］<br />
風向きが変わり、放射性物質は再び関東に流されてくる。日野で2度目のピークが朝5時42分に観測されました。<br />
<img class="alignnone size-full wp-image-1086" title="rad5" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/rad5.jpg" alt="" width="661" height="596" /></p>
<p style="padding-left: 30px;">［Ⅵ］2011年03月1６日16時00<br />
日野：0.15［μSv/h］<br />
同日16時頃には風向きが再び西になり放射性物質は下図のように太平洋に拡散していきました。<br />
<img class="alignnone size-full wp-image-1081" title="rad6" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/rad6.jpg" alt="" width="912" height="760" /></p>
<p style="padding-left: 30px;">[Ⅰ]～[Ⅵ]の時間経過とともに関東各地の放射線の強度はどのように変化していったのかというデータとシミュレーションをつきあわせてみて矛盾点は見つかりませんでした。むしろいままで気にしていなかった、揺り戻しがあって第二ピークがあることがわかるだけでなく、このシミュレーションのすばらしさを痛感しました。こうしたシミュレーションがドイツではなく日本の公機関から明らかにされないのは、まことに残念の一言につきます。</p>
<p style="padding-left: 30px;">データはナチュラル研究所のデータと理化学研究所のデータを使わせていただきました。公機関のサイトでは、もう15日のデータが削除されネット上から消えつつあります。<br />
理化学研究所のデータのピーク値を表示するグラフも15日03：00～15：00の一部です。<br />
測定データを全面的に公開している、ナチュラル研究所に深く感謝しています。</p>
<h4 style="padding-left: 30px;">補足</h4>
<p style="padding-left: 30px;">放射線の強さは理研とナチュラル研とでかなり差がある。ナチュラル研は、ピーク値0.61［μSv/h］を記録しています。そのデータはバックグラウンド放射線の分量を減じていない生の値で、他方、理化学研究所のデータはバックグラウンド0．03［μSv/h］程度を差し引いた値と思われます。従って、理研の生のピーク値は1.9［μSv/h］あたりだろうと思われます。2つの測定値に3倍近い差が生じています。<br />
（注）ここでとりあげたシミュレーション、ナチュラル研究所、理化学研究所のアドレスは伝言板で一括紹介をしていますので、トップページ→掲示板で参照して下さい。</p>
<p style="padding-left: 30px;">（注）シミュレーションの時刻はUTCと判断し、日本時刻に＋9を加え修正されています。</p>
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		<title>原発事故を読み解くミニツール （２）</title>
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		<pubDate>Mon, 11 Apr 2011 15:00:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator>mori</dc:creator>
				<category><![CDATA[原発事故を読み解くミニツール]]></category>
		<category><![CDATA[森のコラム]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://sciwood.com/?p=1074</guid>
		<description><![CDATA[情報をどこから得るか 大きな災害に直面するとき、すべての人が真剣にこのさきのわが身の安全を考え始めます。しかし、このときほど情報の独占者が真実を伝えなくなるときもありません。国民が目をぎらつかせて政府報道に聞き入る姿を前に、最悪の真実を伝えるとたちまちパニックになるのでは、と政治家は思いこむからです。 いままで政治家任せにしてきた無関心層の人々が急に真実を知って怜悧な行動をとれるわけがない、と政治家が考えるのでしょうか。 こうした状況で真実を伝えようとすると、決まって出てくる言葉は、「無用に事実を悪く伝えてはいけない。」、「災害に打ちのめされている人に追い打ちをかけるような発言は差し控えるべきだ。」、「パニックを煽ってはいけない。」と倫理的非難が投げつけられます。こうした批判を受けるとマスコミの報道は、はやばやと「楽観報道、お祈り報道」に収束していきます。権力からの倫理的非難に簡単に萎縮してしまう姿は、戦前の「国難」という倫理的恫喝に屈する大本営報道パターンととてもよく似ているように見えてしまいます。 しかし、幸いにも、現在のわれわれを取り巻く情報の環境は、政府報道、マスコミだけではなく、さまざまな報道のルートが存在していることです。楽天的ストリー中心にシフトされた政府・マスコミ報道の他に、ツイッター、ブログ、You-Tube、ニコニコ動画、海外メディアという複数のチャンネルがみんなに開かれています。 不安でパニックにならないためには、楽観報道にくるまれることではなく、最悪の事態から楽観的な事態まで現実を一定の幅のあるレンジでとらえて、どういうストーリーで現実がこれから展開していくか判断し、その準備を個人の責任でしておくことでしょう。 勿論、このとき一番楽観的な状態で事態が収束することができれば、それはとても望ましいことであることは言うまでもありません。しかし楽観論にくるまれていた人が、激しく食い違う想定外の事態に直面して、パニックになってしまう最悪の事態は可能な限り回避しなければなりません。 そういう観点から、以下に、いくつかの情報源を紹介してみました。毎日の放射線の測定データ、福島発放射性物質の飛散シミュレーション（ドイツ）、飛散予報（ノルウエー）などの海外研究機関のデータなど。他にも有用な情報源がありましたら、コメント欄でみなさんから紹介をしていただければ幸いです。 (Y.Mori) 情報収集リンク集 放射性物質の流れの予想 http://transport.nilu.no/products/browser/fpv_fuku?fpp=conccol_I-131_;region=Japan 文科省のサイトがグラフ化され放射線の値を現状を知るのにわかりやすい。 東京　http://mextrad.blob.core.windows.net/page/13_Tokyo.html 全国　http://www.mext.go.jp/ 福島第一原発から漏れた放射能の広がり（群馬大　早川由起夫教授のまとめグーグルマップ） http://maps.google.co.jp/maps/ms?hl=ja&#038;ie=UTF8&#038;brcurrent=3,0x34674e0fd77f192f:0xf54275d47c665244,0&#038;msa=0&#038;msid=210951801243060233597.0004a066858a3066ee70a&#038;ll=35.838968,139.924622&#038;spn=0.290566,0.373535&#038;z=11]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h3>情報をどこから得るか</h3>
<p style="padding-left: 30px;">大きな災害に直面するとき、すべての人が真剣にこのさきのわが身の安全を考え始めます。しかし、このときほど情報の独占者が真実を伝えなくなるときもありません。国民が目をぎらつかせて政府報道に聞き入る姿を前に、最悪の真実を伝えるとたちまちパニックになるのでは、と政治家は思いこむからです。<br />
いままで政治家任せにしてきた無関心層の人々が急に真実を知って怜悧な行動をとれるわけがない、と政治家が考えるのでしょうか。</p>
<p style="padding-left: 30px;">こうした状況で真実を伝えようとすると、決まって出てくる言葉は、「無用に事実を悪く伝えてはいけない。」、「災害に打ちのめされている人に追い打ちをかけるような発言は差し控えるべきだ。」、「パニックを煽ってはいけない。」と倫理的非難が投げつけられます。こうした批判を受けるとマスコミの報道は、はやばやと「楽観報道、お祈り報道」に収束していきます。権力からの倫理的非難に簡単に萎縮してしまう姿は、戦前の「国難」という倫理的恫喝に屈する大本営報道パターンととてもよく似ているように見えてしまいます。</p>
<p style="padding-left: 30px;">しかし、幸いにも、現在のわれわれを取り巻く情報の環境は、政府報道、マスコミだけではなく、さまざまな報道のルートが存在していることです。楽天的ストリー中心にシフトされた政府・マスコミ報道の他に、ツイッター、ブログ、You-Tube、ニコニコ動画、海外メディアという複数のチャンネルがみんなに開かれています。</p>
<p style="padding-left: 30px;">不安でパニックにならないためには、楽観報道にくるまれることではなく、最悪の事態から楽観的な事態まで現実を一定の幅のあるレンジでとらえて、どういうストーリーで現実がこれから展開していくか判断し、その準備を個人の責任でしておくことでしょう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">勿論、このとき一番楽観的な状態で事態が収束することができれば、それはとても望ましいことであることは言うまでもありません。しかし楽観論にくるまれていた人が、激しく食い違う想定外の事態に直面して、パニックになってしまう最悪の事態は可能な限り回避しなければなりません。</p>
<p style="padding-left: 30px;">そういう観点から、以下に、いくつかの情報源を紹介してみました。毎日の放射線の測定データ、福島発放射性物質の飛散シミュレーション（ドイツ）、飛散予報（ノルウエー）などの海外研究機関のデータなど。他にも有用な情報源がありましたら、コメント欄でみなさんから紹介をしていただければ幸いです。 (Y.Mori)</p>
<h4 style="padding-left: 30px;">情報収集リンク集</h4>
<ul>
<li><span style="color: #4f4f4f;">放射性物質の流れの予想</span><span style="color: #4f4f4f;"><br />
<a href="http://transport.nilu.no/products/browser/fpv_fuku?fpp=conccol_I-131_;region=Japan" target="_blank">http://transport.nilu.no/products/browser/fpv_fuku?fpp=conccol_I-131_;region=Japan</a></span></li>
<li><span style="color: #4f4f4f;"><span style="color: #4f4f4f;">文科省のサイトがグラフ化され放射線の値を現状を知るのにわかりやすい。<br />
東京　<a href="http://mextrad.blob.core.windows.net/page/13_Tokyo.html" target="_blank">http://mextrad.blob.core.windows.net/page/13_Tokyo.html</a><br />
全国　<a href="http://www.mext.go.jp/" target="_blank">http://www.mext.go.jp/</a></span></span></li>
<li><span style="color: #4f4f4f;"><span style="color: #4f4f4f;"><span style="color: #4f4f4f;">福島第一原発から漏れた放射能の広がり（群馬大　早川由起夫教授のまとめグーグルマップ）<a href="http://maps.google.co.jp/maps/ms?hl=ja&amp;ie=UTF8&amp;brcurrent=3,0x34674e0fd77f192f:0xf54275d47c665244,0&amp;msa=0&amp;msid=210951801243060233597.0004a066858a3066ee70a&amp;ll=35.838968,139.924622&amp;spn=0.290566,0.373535&amp;z=11" target="_blank">
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<p></span></span></li>
</ul>
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		<title>原発事故を読み解くミニツール （１）</title>
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		<pubDate>Sun, 10 Apr 2011 15:00:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>mori</dc:creator>
				<category><![CDATA[原発事故を読み解くミニツール]]></category>
		<category><![CDATA[森のコラム]]></category>

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		<description><![CDATA[放射線をどれだけ浴びつつあるかを示す単位。 シーベルトは、どれだけたくさんの放射線を浴びてしまったかを示す量の単位です。 4シーベルト：ほぼ致死量。 0.4シーベルト（または、400ミリシーベルト）：白血病 どちらかというとシーベルトは、医療する立場にとって便利な単位です。「0.4シーベルトも浴びたのか！」これがわかれば、すぐにどういう医療処置をすべきかが決定できるからです。しかし、われわれにとっては、シーベルトは浴びてしまった放射線の量を示すので、こうなったら、後の祭りです。 こんなに被爆しないように事前に察知して行動するためには、シーベルトの単位ではあまり役に立ちません。役に立つのは、一時間に何シーベルト被爆しつつあるか、を示す単位です。これは線量率と呼ばれる。時間でシーベルトを割るので率がつく。これが放射線をどれだけ浴びつつあるかを示す単位です。 たとえば、400ミリシーベルト/時間という数値は、このペースで1時間放射線を浴びると400シーベルトも被爆してしてしまうという意味です。測定器はこの値を数秒足らずで測定するので、1時間も被爆しないでこれを知ることができます。被爆をできるだけ少なくするために行動したいわれわれにとっては、これがもっとも便利な単位です。 政府、マスコミはときどきこの２つの単位をごちゃごちゃにしている。シーベルトという単位を書いていますが、よく読むと実はシーベルト/　時間であることが散見されるので注意が必要です。 また、新聞雑誌では 400ミリシーベルトを400mSV、400ミリシーベルト/時間を400mSV/hと表記します。mSVは線量、mSV/hは線量率と呼んでいる単位です。われわれにとってまず注目すべきなのは線量率mSV/hで、次にどれ位被爆することになるのか、という計算をするとき線量mSVが問題になります。この二つを絶えず意識して混同しないように使い分けることがとても大切です。 たとえていえば、シーベルトは、距離の単位に相当し、シーベルト/時間は、速度の単位に相当します。速度メータをみていれば、あと何時間で40㎞先の自宅に着くかたちどころにわかるように、線量率がわかると、ここに何時間いるとどれくらい「マズイか！」、被曝線量がたちどころに計算できます。 そのとき、線量率の値で警戒をすべき値かどうかのの基値は、まずバックグラウンド放射線（0.05［μSv/h］）の値であろう。人類が生き続けてきた値のこの何倍か、に常に注目すべきだろう。 以下に線量率と線量のその計算例。 （例）400mSV/hの場所に2時間いると 400 x 2=800 mSV と致死量に近くなる。 400mSV/hの場所を1分（１／60時間）で立ち去れば 400 x (1/60)=6.7 mSV の被爆ですむ。 （被ばくが多い高地などにすんでいる人は、１年間かけてこれくらい被爆している。） 放射線による環境汚染が進むと、いくら適切な行動とってもあちこちで少しずつ被爆した線量が借金のようにたまっていきます。場合によっては、家計簿をつけるように月々の被爆線量（mSV)がいくらになったかを計算して自分の健康管理をしなければならなくなるかもしれません。 (Y.Mori) 参考文献など ICRP1990年勧告（国際放射線防護委員会）日刊工業新聞社 武田邦彦（中部大学）ブログ]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h3>放射線をどれだけ浴びつつあるかを示す単位。</h3>
<p style="padding-left: 30px;">シーベルトは、どれだけたくさんの放射線を浴びてしまったかを示す量の単位です。</p>
<ul style="margin-left: 30px;">
<li>4シーベルト：ほぼ致死量。</li>
<li>0.4シーベルト（または、400ミリシーベルト）：白血病</li>
</ul>
<p style="padding-left: 30px;">どちらかというとシーベルトは、医療する立場にとって便利な単位です。「0.4シーベルトも浴びたのか！」これがわかれば、すぐにどういう医療処置をすべきかが決定できるからです。しかし、われわれにとっては、シーベルトは浴びてしまった放射線の量を示すので、こうなったら、後の祭りです。</p>
<p style="padding-left: 30px;">こんなに被爆しないように事前に察知して行動するためには、シーベルトの単位ではあまり役に立ちません。役に立つのは、一時間に何シーベルト被爆しつつあるか、を示す単位です。これは線量率と呼ばれる。時間でシーベルトを割るので率がつく。これが放射線をどれだけ浴びつつあるかを示す単位です。</p>
<p style="padding-left: 30px;">たとえば、400ミリシーベルト/時間という数値は、このペースで1時間放射線を浴びると400シーベルトも被爆してしてしまうという意味です。測定器はこの値を数秒足らずで測定するので、1時間も被爆しないでこれを知ることができます。被爆をできるだけ少なくするために行動したいわれわれにとっては、これがもっとも便利な単位です。</p>
<p style="padding-left: 30px;">政府、マスコミはときどきこの２つの単位をごちゃごちゃにしている。シーベルトという単位を書いていますが、よく読むと実はシーベルト/　時間であることが散見されるので注意が必要です。<br />
また、新聞雑誌では 400ミリシーベルトを400mSV、400ミリシーベルト/時間を400mSV/hと表記します。mSVは線量、mSV/hは線量率と呼んでいる単位です。われわれにとってまず注目すべきなのは線量率mSV/hで、次にどれ位被爆することになるのか、という計算をするとき線量mSVが問題になります。この二つを絶えず意識して混同しないように使い分けることがとても大切です。</p>
<p style="padding-left: 30px;">たとえていえば、シーベルトは、距離の単位に相当し、シーベルト/時間は、速度の単位に相当します。速度メータをみていれば、あと何時間で40㎞先の自宅に着くかたちどころにわかるように、線量率がわかると、ここに何時間いるとどれくらい「マズイか！」、被曝線量がたちどころに計算できます。<br />
そのとき、線量率の値で警戒をすべき値かどうかのの基値は、まずバックグラウンド放射線（0.05［μSv/h］）の値であろう。人類が生き続けてきた値のこの何倍か、に常に注目すべきだろう。</p>
<p style="padding-left: 30px;">以下に線量率と線量のその計算例。<br />
（例）400mSV/hの場所に2時間いると<br />
400 x 2=800 mSV と致死量に近くなる。<br />
400mSV/hの場所を1分（１／60時間）で立ち去れば<br />
400 x (1/60)=6.7 mSV の被爆ですむ。<br />
（被ばくが多い高地などにすんでいる人は、１年間かけてこれくらい被爆している。）</p>
<p style="padding-left: 30px;">放射線による環境汚染が進むと、いくら適切な行動とってもあちこちで少しずつ被爆した線量が借金のようにたまっていきます。場合によっては、家計簿をつけるように月々の被爆線量（mSV)がいくらになったかを計算して自分の健康管理をしなければならなくなるかもしれません。<br />
(Y.Mori)</p>
<h4 style="padding-left: 30px;">参考文献など</h4>
<ul style="margin-left: 30px;">
<li>ICRP1990年勧告（国際放射線防護委員会）日刊工業新聞社</li>
<li><a href="http://takedanet.com/2011/03/post_b9fc.html">武田邦彦（中部大学）ブログ</a></li>
</ul>
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		<title>[森のコラム] 質量と重さの単位</title>
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		<pubDate>Wed, 09 Sep 2009 15:00:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[森のコラム]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://sciwood.com/?p=1111</guid>
		<description><![CDATA[はじめに 物理の教科書では、力の単位がニュートン一色になっています。高校生にとってはニュートンという単位は、物理の教科書以外では登場しない、孤立した単位なので、さまざまな問題が生じています。森のコラムでは、「質量と重さの単位」に関連する報告を２回くらいにわけてアップロードしたいと思います。今回は、まず身近な教材として有名なNASAのスカイラブのプロジェクトでの「宇宙飛行士の質量の測定」のことを取り上げてみます。報告に対して、コメント欄から皆様の積極的なご意見やアドバイスをお寄せください。 第１回：スカイラブで、宇宙飛行士の質量は、どう測定されたか？ １．スカイラブ（Sｋｙ Lab）について 図１．Ｓky Labの全景 Sky Labは、人間の長期宇宙滞在に関連するさまざまな実験をすることを目的として、1973年5月25日にNASAが打ち上げた宇宙ステーションです。実験室はアポロサターンV型ロケットを利用し、その直径は6.6ｍ、長さ24.6ｍもあり、容量270ｍ３ で、60畳もの部屋に相当する巨大な実験空間です。この実験室は1973年から1979年まで地球周回軌道にあり、医学、天体物理、地球資源探査、太陽観測、などの活動をした。残念ながら、大気との空気抵抗により徐々に軌道からはずれ、1979年7月11日に地球に落下し消滅してしまいました。 その間、宇宙飛行士の活動によってさまざまな教育のための実験映像も得られた。それをAAPTで編集し、教材用ビデオやその意図を解説したTeachers Guideのパンフレットも制作されました。 図２．ＳＫＹＬＡＢ内部の寸法 2．Sky Labでの宇宙飛行士の質量の測定方法について 図３は宇宙飛行士が質量測定機BMMD(THE BODY MASS MEASUREMENT DEVICEの略)を使っているビデオシーンです（図３）。その中に「674146」という数値が表示されるシーンがあります（図４）。この数値は一見すると宇宙飛行士の質量が㎏で67.4146㎏と表示されたかのようによく誤解されているようです。この数値と画面の宇宙飛行士の体格をくらべるとあきらかに少なすぎるようにみえます。解説マニュアルで確認してみると、その値は質量ではなく、振動周期３回分の値であることが記載されていました。（たとえば、図６の３行目もそれに関する記述。） 図３．質量測定機に乗る飛行士 図４．質量測定機の表示部分 本当に飛行士の振動周期が3T=6.74146秒であるか、念のため、そのビデオの映像をコマ送りして周期を求めてみると数値がほぼ一致していました。T=2.24715秒、この周期のデータから計算で質量を求める、というのがBMMDのシステムのようです。マニュアル（図６）をみると校正データとしてunloaded chairの周期が3T0＝2.70446、ともう一つの構成データ（自重＋30.94lbs.、３回分の周期3.74937秒）も記載されています（図６）。 図５．質量測定機の構造 その値とT=2π√m/k の式からSI単位系に換算してBMMDの自重約15.12㎏、と弾性定数7.394×102［N/m］を計算し求めることができます。次に、ビデオ映像に表示されてた値6.74146秒を周期に直し、T＝2.24715秒から宇宙飛行士質量を計算すると、約79.45㎏の値が得られます。これなら、映像の宇宙飛行士をみて妥当な数値だろうと思われます。また、念のため校正データで検算してみると、対応する質量の値と一致しました。 図６．質量測定機のデータ よくいわれることですが、NASAは日本のようなSI単位系の優等生ではありません。そのせいだけではないでしょうが図６．のデータをよくながめてみると、腑に落ちない数字や興味を引く記述もあることに気がつきます。 例えば、校正データの欄が、なぜかHouston Weight(lbs.)で表記されています。また、AAPTの編集者による注だと思いますが、データの下には、「Houston Weight(lbs.)が便利」である指摘とともに「教師、生徒の混乱を最小にするためにlbs Houston Weightを質量の㎏に変換した方がよい。」という興味深い注もあり、日本の現状と比べまるで謎のようだ。（つづく） 補足 実際に飛行士が測定している動画は、ＷＥＢ物理、力学の後半の授業展開の質量の部分で見るか、会員欄に入りダウンロードをしてください。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<h3>はじめに</h3>
<p style="padding-left: 30px;">物理の教科書では、力の単位がニュートン一色になっています。高校生にとってはニュートンという単位は、物理の教科書以外では登場しない、孤立した単位なので、さまざまな問題が生じています。森のコラムでは、「質量と重さの単位」に関連する報告を２回くらいにわけてアップロードしたいと思います。今回は、まず身近な教材として有名なNASAのスカイラブのプロジェクトでの「宇宙飛行士の質量の測定」のことを取り上げてみます。報告に対して、コメント欄から皆様の積極的なご意見やアドバイスをお寄せください。</p>
<h3>第１回：スカイラブで、宇宙飛行士の質量は、どう測定されたか？</h3>
<h4 style="padding-left: 30px;">１．スカイラブ（Sｋｙ Lab）について</h4>
<p style="padding-left: 30px;"><img class="alignnone size-full wp-image-1122" title="sky1" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/sky1.jpg" alt="" width="334" height="297" /><br />
図１．Ｓky Labの全景</p>
<p style="padding-left: 30px;">Sky Labは、人間の長期宇宙滞在に関連するさまざまな実験をすることを目的として、1973年5月25日にNASAが打ち上げた宇宙ステーションです。実験室はアポロサターンV型ロケットを利用し、その直径は6.6ｍ、長さ24.6ｍもあり、容量270ｍ３ で、60畳もの部屋に相当する巨大な実験空間です。この実験室は1973年から1979年まで地球周回軌道にあり、医学、天体物理、地球資源探査、太陽観測、などの活動をした。残念ながら、大気との空気抵抗により徐々に軌道からはずれ、1979年7月11日に地球に落下し消滅してしまいました。<br />
その間、宇宙飛行士の活動によってさまざまな教育のための実験映像も得られた。それをAAPTで編集し、教材用ビデオやその意図を解説したTeachers Guideのパンフレットも制作されました。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><a href="http://sciwood.com/wp-content/uploads/sky2.jpg"><img class="alignnone size-full wp-image-1123" title="sky2" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/sky2.jpg" alt="" width="787" height="439" /></a><br />
図２．ＳＫＹＬＡＢ内部の寸法</p>
<h4 style="padding-left: 30px;">2．Sky Labでの宇宙飛行士の質量の測定方法について</h4>
<p style="padding-left: 30px;">図３は宇宙飛行士が質量測定機BMMD(THE BODY MASS MEASUREMENT DEVICEの略)を使っているビデオシーンです（図３）。その中に「674146」という数値が表示されるシーンがあります（図４）。この数値は一見すると宇宙飛行士の質量が㎏で67.4146㎏と表示されたかのようによく誤解されているようです。この数値と画面の宇宙飛行士の体格をくらべるとあきらかに少なすぎるようにみえます。解説マニュアルで確認してみると、その値は質量ではなく、振動周期３回分の値であることが記載されていました。（たとえば、図６の３行目もそれに関する記述。）</p>
<p style="padding-left: 30px;"><img class="alignnone size-full wp-image-1124" title="sky3" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/sky3.jpg" alt="" width="360" height="240" /><br />
図３．質量測定機に乗る飛行士</p>
<p style="padding-left: 30px;"><img class="alignnone size-full wp-image-1125" title="sky4" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/sky4.jpg" alt="" width="317" height="144" /><br />
図４．質量測定機の表示部分</p>
<p style="padding-left: 30px;">本当に飛行士の振動周期が3T=6.74146秒であるか、念のため、そのビデオの映像をコマ送りして周期を求めてみると数値がほぼ一致していました。T=2.24715秒、この周期のデータから計算で質量を求める、というのがBMMDのシステムのようです。マニュアル（図６）をみると校正データとしてunloaded chairの周期が3T0＝2.70446、ともう一つの構成データ（自重＋30.94lbs.、３回分の周期3.74937秒）も記載されています（図６）。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><img class="alignnone size-full wp-image-1126" title="sky5" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/sky5.jpg" alt="" width="546" height="282" /><br />
図５．質量測定機の構造</p>
<p style="padding-left: 30px;">その値とT=2π√m/k の式からSI単位系に換算してBMMDの自重約15.12㎏、と弾性定数7.394×102［N/m］を計算し求めることができます。次に、ビデオ映像に表示されてた値6.74146秒を周期に直し、T＝2.24715秒から宇宙飛行士質量を計算すると、約79.45㎏の値が得られます。これなら、映像の宇宙飛行士をみて妥当な数値だろうと思われます。また、念のため校正データで検算してみると、対応する質量の値と一致しました。</p>
<p style="padding-left: 30px;"><img class="alignnone size-full wp-image-1121" title="sky6" src="http://sciwood.com/wp-content/uploads/sky6.jpg" alt="" width="502" height="693" /><br />
図６．質量測定機のデータ</p>
<p style="padding-left: 30px;">よくいわれることですが、NASAは日本のようなSI単位系の優等生ではありません。そのせいだけではないでしょうが図６．のデータをよくながめてみると、腑に落ちない数字や興味を引く記述もあることに気がつきます。<br />
例えば、校正データの欄が、なぜかHouston Weight(lbs.)で表記されています。また、AAPTの編集者による注だと思いますが、データの下には、「Houston Weight(lbs.)が便利」である指摘とともに「教師、生徒の混乱を最小にするためにlbs Houston Weightを質量の㎏に変換した方がよい。」という興味深い注もあり、日本の現状と比べまるで謎のようだ。（つづく）</p>
<h4 style="padding-left: 30px;">補足</h4>
<p style="padding-left: 30px;">実際に飛行士が測定している動画は、ＷＥＢ物理、力学の後半の授業展開の質量の部分で見るか、会員欄に入りダウンロードをしてください。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>[森のコラム] 今、教育の姿は</title>
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		<pubDate>Tue, 30 Sep 2008 15:00:08 +0000</pubDate>
		<dc:creator>mori</dc:creator>
				<category><![CDATA[森のコラム]]></category>

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		<description><![CDATA[ゆとり教育からあたらしい方向へ，また流行のように学習指導要領を変えようとしている。落ちこぼれ，国際的学力低下，理科離れ，登校拒否，指示待ち研究者の増加。そして生きる力が必要だとか，応用力が必要だとか，サイエンスリタラシーが必要だとか，さまざまなことが言われている。 政治家は，よく社会問題を教育問題に還元したがる。いじめや殺人事件の荒廃とした世情から教育に徳育教育が不十分だと力説する。しかし，財政支出がともなう１クラスの生徒の人数を減らすことには関心がとても低い。政治家は，自分たちに，たてつかないどこか従順な国民を金をかけないでつくりたいのかもしれない。 財界･産業界は，このグローバル化の荒波を乗り越えるための学校教育の改造になみなみならぬ力を入れている。企業が国際競争に勝ち抜かねば社員をリストラせざるを得なくなり，死活問題だろう。 そのためには，あたらしい企画をたてられ，時代の方向性を見通せる人材育成の教育が必要である。また同時に，教育の最低レベルは保証した大衆の教育も必要になる。スーパーサイエンス･スクールや飛び級制度，大学改革等に見られるようにリーダーシップを握るトップエリート教育にすでに相当のお金をまわしている。同時に大衆教育は学習指導要領に権威を持たせそれをバイブルにしてトップダウン方式の教育を推進している。基本的にサッチヤー政権がはじめた改革をそっくり手本にして，日本での格差社会を効率よく再生する教育システムの実現がそのイメージとも言える。 子どもたちに自立した人生をスタートしてもらいたい父母にとっては，どうだろうか。わが子に豊かな生活を望まない親はどこにもいない。また，今より貧しい生活レベルへ転落することに手をこまねいている親もどこにもいないだろう。どの親も子どもが貧しい生活から自尊心を傷つけられる人生を送らせたくないという思いは，痛切ではないだろうか。 その親たちが真っ先に感じる問題は，所得の高い層の子どもがトップ校へ入学し，所得の低い子はとそれよりレベルの低い学校へ入学する傾向が強まっていることだろう。しかも一度，下流におちてしまうと，そこからぬけだすことがとても困難になりつつある。親の所得格差がそのまま子どもの教育格差をもたらし，またその教育格差が子どもの所得格差を決定していく関係が固定化する方向に現在ますす進みつつある。こうしたことから世の親たちは教育問題に相当のストレスを感じているだろう。 社会階層の分化とその固定化は，教育問題と言うよりは社会問題そのものである。医者，弁護士，国家官僚，議員などが親から子へとあたかも世襲制のごとく社会的地位を維持･伝承していくためには，「教育」の果たす役割はとても大きい。ただ，くれぐれも誤解してはいけないのは，このときの「教育の役割」とは「人間をのばす教育の役割」という意味ではなく，「人間をあきらめさせるための教育役割」という意味も含まれてくることである。 とても多くの人が，このところ「教育」の意味をなしくずしてきに拡張しはじめてきている。本来の「教育」は人間のプラスの面を伸ばすことにある。そのために多くの時間と着実な努力が必要であり，特効薬のような方法はどこにもない。しかし，「教育」は，やり方によっては人間に希望を失わせたり，自分の能力に失望させたり，夢をあきらめさせたりするのにおおきなな効果を短時間で発揮させることもできる。教育の怖いマイナス面である。日本の教育は，このマイナスの教育ともいうべき役割をより効果的に機能するシステムへ着々と変えられつつある。 マイナスの教育が子どもたちの人生に与える時期がどんどん早まってきている。この２０年間の間に学校の格差を広げ，高校から中学，中学から小学校へ早い段階へと競争がより徹底的にもちこまれてきた。子どもたちはじっくり勉強をしているどころではなく，追い立てられるように物事に取り組まざるを得ず，教育の場にストレスが常駐するようになってきている。こうしたマイナスの教育システムを通して，子どもたちは早めに自分の将来の夢や自分の能力をあきらめる結果をもたらされている。 わが子にはやばやと希望に満ちた将来を断念させたくないと思い，塾や予備校に通わせ受験競争にのめりこむのは，基本的には親たちが教育の甚大なマイナス効果からわが子を守るための行動といっていいだろう。そして，いまは教育のマイナスの効果を回避するために奔走する親や子どもたちにいかに手をさしのべ，協力するかが望ましい「学校教育」の姿であるかのように誤解されつつあるようだ。最近ついに，公教育の中にまで塾や予備校が入り込み，教育の混乱はただごとではなく，ここにきわまったかもしれない。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<ol>
<li>ゆとり教育からあたらしい方向へ，また流行のように学習指導要領を変えようとしている。落ちこぼれ，国際的学力低下，理科離れ，登校拒否，指示待ち研究者の増加。そして生きる力が必要だとか，応用力が必要だとか，サイエンスリタラシーが必要だとか，さまざまなことが言われている。</li>
<li>政治家は，よく社会問題を教育問題に還元したがる。いじめや殺人事件の荒廃とした世情から教育に徳育教育が不十分だと力説する。しかし，財政支出がともなう１クラスの生徒の人数を減らすことには関心がとても低い。政治家は，自分たちに，たてつかないどこか従順な国民を金をかけないでつくりたいのかもしれない。</li>
<li>財界･産業界は，このグローバル化の荒波を乗り越えるための学校教育の改造になみなみならぬ力を入れている。企業が国際競争に勝ち抜かねば社員をリストラせざるを得なくなり，死活問題だろう。<br />
そのためには，あたらしい企画をたてられ，時代の方向性を見通せる人材育成の教育が必要である。また同時に，教育の最低レベルは保証した大衆の教育も必要になる。スーパーサイエンス･スクールや飛び級制度，大学改革等に見られるようにリーダーシップを握るトップエリート教育にすでに相当のお金をまわしている。同時に大衆教育は学習指導要領に権威を持たせそれをバイブルにしてトップダウン方式の教育を推進している。基本的にサッチヤー政権がはじめた改革をそっくり手本にして，日本での格差社会を効率よく再生する教育システムの実現がそのイメージとも言える。</li>
<li>子どもたちに自立した人生をスタートしてもらいたい父母にとっては，どうだろうか。わが子に豊かな生活を望まない親はどこにもいない。また，今より貧しい生活レベルへ転落することに手をこまねいている親もどこにもいないだろう。どの親も子どもが貧しい生活から自尊心を傷つけられる人生を送らせたくないという思いは，痛切ではないだろうか。<br />
その親たちが真っ先に感じる問題は，所得の高い層の子どもがトップ校へ入学し，所得の低い子はとそれよりレベルの低い学校へ入学する傾向が強まっていることだろう。しかも一度，下流におちてしまうと，そこからぬけだすことがとても困難になりつつある。親の所得格差がそのまま子どもの教育格差をもたらし，またその教育格差が子どもの所得格差を決定していく関係が固定化する方向に現在ますす進みつつある。こうしたことから世の親たちは教育問題に相当のストレスを感じているだろう。</li>
<li>社会階層の分化とその固定化は，教育問題と言うよりは社会問題そのものである。医者，弁護士，国家官僚，議員などが親から子へとあたかも世襲制のごとく社会的地位を維持･伝承していくためには，「教育」の果たす役割はとても大きい。ただ，くれぐれも誤解してはいけないのは，このときの「教育の役割」とは「人間をのばす教育の役割」という意味ではなく，「人間をあきらめさせるための教育役割」という意味も含まれてくることである。
<p>とても多くの人が，このところ「教育」の意味をなしくずしてきに拡張しはじめてきている。本来の「教育」は人間のプラスの面を伸ばすことにある。そのために多くの時間と着実な努力が必要であり，特効薬のような方法はどこにもない。しかし，「教育」は，やり方によっては人間に希望を失わせたり，自分の能力に失望させたり，夢をあきらめさせたりするのにおおきなな効果を短時間で発揮させることもできる。教育の怖いマイナス面である。日本の教育は，このマイナスの教育ともいうべき役割をより効果的に機能するシステムへ着々と変えられつつある。</li>
<li>マイナスの教育が子どもたちの人生に与える時期がどんどん早まってきている。この２０年間の間に学校の格差を広げ，高校から中学，中学から小学校へ早い段階へと競争がより徹底的にもちこまれてきた。子どもたちはじっくり勉強をしているどころではなく，追い立てられるように物事に取り組まざるを得ず，教育の場にストレスが常駐するようになってきている。こうしたマイナスの教育システムを通して，子どもたちは早めに自分の将来の夢や自分の能力をあきらめる結果をもたらされている。</li>
<li>わが子にはやばやと希望に満ちた将来を断念させたくないと思い，塾や予備校に通わせ受験競争にのめりこむのは，基本的には親たちが教育の甚大なマイナス効果からわが子を守るための行動といっていいだろう。そして，いまは教育のマイナスの効果を回避するために奔走する親や子どもたちにいかに手をさしのべ，協力するかが望ましい「学校教育」の姿であるかのように誤解されつつあるようだ。最近ついに，公教育の中にまで塾や予備校が入り込み，教育の混乱はただごとではなく，ここにきわまったかもしれない。</li>
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		<title>[森のコラム] 教育と季節風</title>
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		<pubDate>Mon, 31 Mar 2008 15:00:23 +0000</pubDate>
		<dc:creator>mori</dc:creator>
				<category><![CDATA[森のコラム]]></category>

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		<description><![CDATA[教育の世界にも季節風が吹く。学習指導要領の改訂の時期になると、どこからともなく新しい教育スローガンの風が吹きはじめる。さっそうと子供たちに吹い てきた「ゆとり教育」のスローガンも１０数年たって、いまや息もたえだえだ。そして、最近、理科の世界に新しく、季節風が吹き始めている。 いま、「ゆとり教育」の欠陥がさまざまな角度から指摘されている。教材を系統的に整理をすることなく、どんどん削除してしまった。その影響をまともにう けた公教育では学力低下、おちこぼれの増加、学級崩壊がおきやすくなる方向に大きな力をおよぼした。他方、その影響を回避しようとした多くの私学や受験校 では、従来通りの学力を維持するために、裏の時間割をつくり未履修教科をつくっていった。１０年かかってようやく、「ゆとり教育」→「学級崩壊」→「未履 修問題」がセットになって関連していることがだれの目にもあきらかになった。 いま「ゆとり教育」はどう実施するべきだったのかが、ようやく多くの人に理解され問題点が共有化されつつある。しかし、いま教育の世界にはいつものよう にあたらしい季節風が吹き始めてきている。「教養」というには言葉が重たいためか、理科では「サイエンスリタラシー」があたらしい季節風になりそうだ。 戦後の日本の教育界に吹いてきた季節風は、おおむね「系統学習」（教え込み重視）と「探求学習」（発見重視）の間をふりこのように揺れ動いてきている。 どういう教育スローガンにも一見識は、含まれている。「系統学習」、「探求学習」、「ゆとりの教育」、「サイエンスリタラシー」どれも耳を傾けるべき何か は、あるだろうが、１０数年という単位でみれば、そのほとんどはいずれ去っていく季節風にすぎない。こうした、季節風の中で信じるに足る何かを見出すこと があるとすれば、これからが正念場といって真の「ゆとり教育」にこだわりつづける人ではなかろうか。 毎日の教室の授業は、季節風では築いていくことはできない。このことは、日々、生徒に向き合っている教師にとっては、当たり前のことであろう。この毎日 の積み重ねこそが、信じるに足る基軸である。ＷＥＢ物理にとってたいせつなのは、目新しい～学習というスローガンではなく，毎日の生徒とのやりとりかふる いにかけられ、改善されつつある完成途上の教材があるだけである。(yuji)]]></description>
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<li>教育の世界にも季節風が吹く。学習指導要領の改訂の時期になると、どこからともなく新しい教育スローガンの風が吹きはじめる。さっそうと子供たちに吹い てきた「ゆとり教育」のスローガンも１０数年たって、いまや息もたえだえだ。そして、最近、理科の世界に新しく、季節風が吹き始めている。</li>
<li>いま、「ゆとり教育」の欠陥がさまざまな角度から指摘されている。教材を系統的に整理をすることなく、どんどん削除してしまった。その影響をまともにう けた公教育では学力低下、おちこぼれの増加、学級崩壊がおきやすくなる方向に大きな力をおよぼした。他方、その影響を回避しようとした多くの私学や受験校 では、従来通りの学力を維持するために、裏の時間割をつくり未履修教科をつくっていった。１０年かかってようやく、「ゆとり教育」→「学級崩壊」→「未履 修問題」がセットになって関連していることがだれの目にもあきらかになった。</li>
<li>いま「ゆとり教育」はどう実施するべきだったのかが、ようやく多くの人に理解され問題点が共有化されつつある。しかし、いま教育の世界にはいつものよう にあたらしい季節風が吹き始めてきている。「教養」というには言葉が重たいためか、理科では「サイエンスリタラシー」があたらしい季節風になりそうだ。</li>
<li>戦後の日本の教育界に吹いてきた季節風は、おおむね「系統学習」（教え込み重視）と「探求学習」（発見重視）の間をふりこのように揺れ動いてきている。 どういう教育スローガンにも一見識は、含まれている。「系統学習」、「探求学習」、「ゆとりの教育」、「サイエンスリタラシー」どれも耳を傾けるべき何か は、あるだろうが、１０数年という単位でみれば、そのほとんどはいずれ去っていく季節風にすぎない。こうした、季節風の中で信じるに足る何かを見出すこと があるとすれば、これからが正念場といって真の「ゆとり教育」にこだわりつづける人ではなかろうか。</li>
<li>毎日の教室の授業は、季節風では築いていくことはできない。このことは、日々、生徒に向き合っている教師にとっては、当たり前のことであろう。この毎日 の積み重ねこそが、信じるに足る基軸である。ＷＥＢ物理にとってたいせつなのは、目新しい～学習というスローガンではなく，毎日の生徒とのやりとりかふる いにかけられ、改善されつつある完成途上の教材があるだけである。(yuji)</li>
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